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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章  ~初めての恋は甘くて切ない味~

 確かにそうだが、とサクナは納得するも腑に落ちない。しかし、真実を知ったからといってルカの気持が変わるわけでもない。
 
 そして、今問題にするべきことはそこではない。

 つまりは近侍であるケイルがサクナを護ることを気にするなと言いたいのだろう。


 だが、王宮にいれば騎士団や兵士もいる。ここに危険があるわけじゃない。コスモ国を視察に行くルカのほうが余程危険である。

 心配してしまうのは仕方ない。

 そして、それはきっとルカも同じ。兄妹だから安心出来るそうルカの言った意味がわかった気がした。

 ここには絶対とは言えないが命の危険があるわけじゃない。

 護衛なら王宮にはたくさんの兵士がいる。
 たとえ、疎まれていても陛下の命令なら聞かざるおえない。

 でも、そんな人に護衛されるぐらいならひとりのほうが気が楽でいい。

 ────きっと、ルカは精神的な事を心配しているんだ。

 
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