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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「わ、わかったから。お、降ろしてルカ様」
「…………わかった?」
「王妃になるなら、婚前交渉は良くないと思うよ」
ルカは眼を見開きサクナを見る。
サクナは、顔を真っ赤に染めてルカを見た。
「それって…………妃になってくれるってこと?」
「前途多難……だけど、いつまでもこんな関係を続ける訳にもいかないし……私だって、ルカと結ばれたいもん」
サクナはルカの首に腕を回し寄り添い肩に顔を埋める。
心も躯も本当はルカを求めている。
必要なのは、気持ちではなく覚悟だ。
「…………やばい、今のかなりきた…………サク、俺の部屋で愛し合お」
「へっ!? や、だから」
「そんなこと言われたら余計我慢できるかよ……もうお前を抱きたくて仕方ないんだ」
悪びれる様子もなくルカは欲望に正直に従ってしまう。
「…………どんだけ正直なのよ、わかったから、取り敢えず降ろして?」
「やだ、このまま、連れて帰りたい」
「…………そんなワガママ言うなら妃にならない、私のお願い訊いてくれない人を夫に出来ない」
ただでさえ、令嬢たちに疎まれているのにこんなところを見られたら。恥ずかしい上に何を言われるかわかったものではない。