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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
王宮はかなり広い敷地であり、宮廷は森からは離れた場所にある。
寝室を兼ねた執務室に戻るとサクナは足を止める。
「ねぇ、ルカ様本当にしちゃうの?」
「嫌なの?」
「正直に言うと……ね、やっぱり婚前交渉は良くないと思う」
ルカはサクナを連れソファーに腰を掛けた。
「サク、婚姻の儀は準備に三ヶ月はかかる、俺をその間ずっと我慢させる気?」
「…………そ、そうなの? じゃあ、ルカは最初から婚前交渉するつもりだったの?」
「そうだよ」
当たり前のようにルカは言った。
サクナはその変の事情に疎く、古い考えをするタイプの女性だった。
そう、昔から育てられたからだ。