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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章 ~初めての恋は甘くて切ない味~
どのみち狙われてる存在には変わりない。
自分がそんな危険に晒されているとは思いもしなかった。
「ま、今はだいじょうぶだがな、絶対とは言えないが。コスモ軍が国境を超えることは出来ない。それが和平の条件だからな」
「条件?」
条件とは、和平を望む相手側に要求する事である。しかし、和平を望んでいたのはリキマシア国の方である。それを結んだのが現陛下のルカ。
ケイルのコスモ国が和平を望んだような言い方にサクナは、首を傾げた。
「これは国家秘密事項だからな、誰にも言うなよ?」
「…………そんなこと簡単に洩らしていいの」
「サクナは、知らなきゃいつまでたっても心配ばかりするだろ。必要なら話していいとルカから許可を得てる」
「…………じゃあ、戦争は起こらない? 命も狙われてないの?」