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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第6章 ~糖度注意報~
でも、気持ちを確かめるようなこと言いたくなかった。ルカが陛下としてでなくやはりルカとして言ってくれたんだと思ったら嬉しくなる。
その気持ちを試すみたいで嫌だった。
本心を言えば気になるけど。
サクナは、トクトクと心が高鳴る。
────好き、って言ってもいいのかな
その想いが溢れ言葉にしたくなる。
だけど、大事な言葉…………
「ルカ…………」
「ん?」
ルカはいつも名前を呼ぶと優しく目を向けてくれる。その蒼い瞳がキラキラと宝石のように澄んでいて、その瞳に魅入ってしまう。
「好き、ルカ好き」
ルカはその眼を細め嬉そうに微笑んだ。
サクナは、ホッとしたと同時に言葉にした気持ちが溢れるように胸がきゅうきゅうと鳴る。
好きでもいいんだ。
そう思うと不安も消えてくる。
ルカはいい加減な人じゃない。
自分を好きだと言ってくれる、過去に好きな人がいたのかもしれない。
だけど、今は────