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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「俺はサクを護る。サクナの大切な物を奪うんだ。いい加減な気持ちでお前を抱きたいわけじゃない」
いつだってルカはサクナを見つけ出しそのピンチを救ってきた。今日もまた、サクナの勝手な行動にも関わらず助けに来てくれた。
サクナもそれはわかっている。
が、サクナは古いしきたりの環境の中、育ってきた。
恋愛はもちろん、男女の触れ合いなど未婚の女性がするものではないと。
ましてや、陛下の妃となるのなら、なおのこと彼女は気にしてしまう。
「仕方ないな。我慢するよ…………サクにいやな思いさせたくないしな」
「ルカ様…………」
やっぱりルカは優しいと、彼女はジーンと胸を熱くさせる。けど。女性に興味のないルカに求められるのは女性として慢心してしまうのも事実。
────キスしてないのにドキドキしてる。
口づけにより気が高鳴りそういう気持ちになることは正直ある、だけど、今はルカの優しい気持ちに心が高揚してしまう。
「…………そんな眼で見るなよ、我慢できなくなるだろ?」
どんな目をしているかサクナにはわかるわけもなく、少し恥ずかしくなる。