この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「や……ルカ……さま、くすぐったい」
「サクは耳が弱いのか…………」
何処か嬉しそうにきこえるルカの声、耳朶を咥えながら話す声は水音を混じらせ脳まで刺激されるような感覚に落ちる。
「ま、待って、ルカ様……変な気持になっちゃう」
普段から甘い声のサクナだが、戸惑いと吐息を混じらせその声はより糖度を増した。
「…………やめて欲しい?」
「え、あっ……や、ぁん」
口づけとは違う喉の奥から沸き上がる甘い感情にくすぐったいのに高揚する気持が心地よくすら感じる。
どちらかと言えばやめて欲しい。
だけど、もっとして欲しくもある。初めての感情にサクナは困惑してしまう。