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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章  ~ご主人様の甘い誘惑~

 祈りの時間は決められてるわけでない。
 だが、一日の始まりである早朝が好ましい。

「ユイナも起こしに来ないし……」

「あぁ俺が起こしに来なくてもいいって言ったからな」

 ポカンとした表情でサクナはルカを見た。

 明け方帰ってきたとき出迎えたのがこの屋敷の執事のアラウドで、その時に頼んだらしい。

 よくよく考えればいくら陛下といえ屋敷に勝手に入れるわけもなく。つまりは、サクナたちが起きて来ない理由を屋敷にいる皆が知っている事となる。

 ────部屋から出にくい…………

「準備しなくちゃ」

 どのみち早朝ではないのは確かである。

 顔を合わせるのは恥ずかしいが、今の現状がバレてると思うとむしろ部屋にいることの方が恥ずかしいことのような気がした。

 サクナは立ち上がろうとした時、ルカはサクナの腰を持ちそれを阻止する。

「おあずけ?」

 少し寂しげに見据えるルカに、思わず身を委ねたくなってしまう。

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