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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章 ~ご主人様の甘い誘惑~
「そうじゃないけど、見つかってもいいの?」
我ながら変なことを言っているのは自分の方だと確信する。
一国の主に見つかっていいのかとは不遜さな言葉ではあるが、侍臣も対応に倦ねるルカの行動は褒められるものではない。
王宮に帰っていることが発覚してしまったら、陛下として叱責されるのではと懸念してしまう。
自分の為に、嘘の報告をしてまで会いに来てくれたことは本当に嬉しい。 地方の娘に会いに行くならともかく、王宮に居て尚かつ婚約者であるサクナに会うために偽る必要は正直ない。
あるとすればゆっくりと過ごせるということ。
だからこそ、屋敷でゆっくりと過ごしてほしく、それと見つかってほしくないと自身の願望も含めてのことだった。