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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章  ~ご主人様の甘い誘惑~
 
 

「おはようございます陛下」

 アラウドは一礼をし挨拶をする。
 ある意味のポーカーフェイスというべきか、いつもの笑顔で対応する。

 ルカも平然としアラウドにケイルを呼んできてもらうよう頼んだ。

 いつもとは違うのにそれが日常のような空気にサクナはいまだなれない。

 執事があからさまな態度をだすのもおかしいが。


 ほどなく、ケイルが談話室に入ってくる。

「兄様おはよう、遅くなってごめん」

「…………気にするな」

 ケイルもいつものようにぶっきらぼうだが、どこか温かみのある表情を見せてくれた。

 サクナは兄の表情を見て少しホッとする。
 その言葉がルカと一緒にいた事を喜んでくれてるように聞こえたからだ。

 ケイルには、ルカのことで色々心配をかけてしまった。『もうだいじょうぶだから』と、サクナは眼で訴える。

 そのサクナの表情を見てケイルもフッと表情を緩めた。

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