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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章  ~ご主人様の甘い誘惑~

 陽の光が鬱蒼とする木々から溢れ、森を明るく照らす。土を固めただけの旧道だが、横幅は広くとってあり馬車でも悠々と通れるほど。

 三人は木陰を歩きながら森の奥の高台にある祭壇を目指す。

 ルカと一緒に歩くのは、つい数日前騎士団に囲まれ祈りの儀式をした日以来。その僅かな日々で色んな事が明らかになってゆく。

 思えば、この森でルカと初めて口づけをした時からサクナの人生は大きく変わっていった。


「もう夏だな、暑くないサク」

「それを言うならふたりのほうが暑そうだけど?」

 ルカとケイルは盛装姿、美丈夫で長身のふたりには似合い過ぎるほど。
 襟元には金の刺繍が施してあり、肩からはマントを纏っている。

 ふたりはあまり自覚はないようだが、ハッキリいって目立つのだ。お忍び姿とは思えないルカをチラリとサクナは見る。

 
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