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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
とっさ唇は離た。
サクナは今までにない高揚感に包まれ、息が苦しいのに離れた唇が寂しく思えた。
「参った……な」
「ルカ様…………」
サクナはルカの胸に頭を埋め、はぁ、はぁ、と肩で息をし心を落ち着かせようとする。
自分の中の淫らな気持ちが抑え切れないほど高鳴り心音をドキドキと早める。
────このまま抱かれてしまいたい。
突発的な欲望に自身が驚く。
あれほど駄目だと頑なに断ったのに簡単にそれを覆したくなる。
「サク……本気でやばいかも、離れて?」
「…………離れたくないよ、どうしよルカ様」
そう、訴えるサクナをルカは抱いたままソファにそっと倒してゆく。
「それは、困ったな」
そう言いながらサクナを見つめ、足を取りソファの上に乗せルカは身をかさねてくる。
こんなふうに男性に組み敷かれることなど初めての事、それが何を意味しているかはサクナにもわかっている。
期待と不安、躯の火照りは増しドキドキと鼓動がうるさい。