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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章 ~ご主人様の甘い誘惑~

祭壇にのぼり、サクナは床に両膝をついて拱手したまま頭をたれる。
祈りの言葉を念じ星に纏う邪気を払う。
星の平和と国の平和。
少しでも人々が安らぎ過ごせるよう。
古くから先人たちの願いを込め、サクナは古代語を詠唱する。
────いつの日かヴァミンに怯えることのない星へとなりますよう。
人々の邪心を拭うことはできない。
祈り姫とて人である、その邪心を生む存在。
それでも、願わずにはいられない。
それが、人々の願いであるから。

