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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章 ~ご主人様の甘い誘惑~
「やっぱり家系か。子供みたいな顔して呑めたのかサクナ、心配しすぎだったようだな」
クイッとケイルは酒を呑みフッと笑ってみせる。
「顔は関係ないでしょ、私だってもう大人だし」
「拗ねるなってケイルにとってはお前はいつまでも可愛い妹何だよ」
「…………そうは言ってない」
そうこう言っているとアラウドが談話室に入ってくる。
アラウドは葡萄酒とグラスを三つ用意し、テーブルに置き、グラスの七分目ぐらいまで葡萄酒を注ぎ、一礼をし部屋を後にする。
サクナはグラスを手にとり匂いを嗅ぐと、芳醇なブドウの香りがした。
ややとろりとした深みのある赤色、それを口につけ呑んでみると。
「あ……美味しい」
芳醇な香り、されど口当たりは爽やかでスッキリとしていた。舌に触れる酸味が葡萄酒の甘さを引き立てる。喉の奥に伝うとまた違った香りが口腔に広がる。