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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第8章  ~天使の微笑みは淫らに咲く~


 サクナの部屋へゆき、天蓋のカーテンをくぐりルカはサクナをベッドに横に寝かせる。

「サク、水持ってくるからちょっとまってろよ」

「いや、ルカ行かないで。傍にいてよ」

 立ち去ろうとした時、サクナにガシッと掴まれる。

「すぐ帰ってくるから、な、サク」

「やだ……」

 掴まれた腰にガンっと響く。
 気が高鳴る、甘えるサクナに心を奪われる。

 もっと、自分を求めてほしい。
 本当は強くなんてなって欲しくない、自分がいなきゃダメなくらいなってしまえばいいのに。

 その欲望を熱くさせるように、酔ったサクナは甘えてくる。

 可愛い。このまま押し倒したくなる。

 が、いくら甘えて可愛くてもここまで正気を失ったサクナを抱くのはルカの主義に反する。


「ここまで酔わなくても良かったのに、ちょっと酔い醒まそうなサク」

 ルカは己の全勢力を集結し理性を必死に保つ。
 なのに、サクナは自ら服を脱ごうとしている。

 見てはダメだとわかっているのに、その目がサクナから離れない。
 おぼつかない手で、小さくふぅふぅと息を吐きながら上衣を脱ぎ捨てれば、理性を吹き飛ばしそうな魅力的な躯の線が浮き上がる。

「もう、反則だよな……お前」

 まだあどけなさを残した、可憐な面差し。
 小さな躯にアンバランスな豊満な胸、くびれた腰に短いスカートからは貴族ではあり得ない、程よく肉付きの良い腿が見えている。

 月光に輝く淡い桜色の髪は彼女をより静艶に見せる。

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