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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第8章 ~天使の微笑みは淫らに咲く~

唇を重ね、じっくりと味わう。
吐息に交じり春を思わす花の香りが高まる気を少し抑えてくれる。
だが、葡萄酒の芳醇な香りがそれを邪魔する。
官能的な香りに欲望が高鳴り下腹部を直に響かせ、いつもより熱をもったサクナの舌に貪りたくなる。
だが、それと同時にどんな甘露よりも甘くて旨い、いつものサクナの方が好きだと思った。
「…………サク、やっぱり今日は止めとくよ、抱いたらサクはよけい寂しくなるだろ?」
「今日のルカは変……私のこと嫌になったの……?」
────変なのはお前の方だろ。
緋色の瞳を潤わせ涙目に見つめられるとどうしていいかわからなくなる。
「嫌いになるわけないだろ……俺がお前をどれだけ愛してると思ってるんだ」
「じゃあ、焦らしてるの?」
────焦らされてるのは俺だ。
「ごめんサク。もう堪えられない、もう止めないぞ? 本当にいいのか?」
コクっとサクナは頷く。
ルカは焦る気持ちを抑え、優しくサクナの衣服を脱がしてゆく。
月夜に浮かぶ陶器のような白い肌がほんのりと桜色に染まっている。触れてはいけないような神秘的な肌。
禁断を犯すようにそのきめ細やかな肌に触れると、吸い付くように手になじむ。
この感覚が堪らなく気持ちいい。

