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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「だ、ダメじゃないけど…………」
幼くあどけない顔を真っ赤に染め細く力弱い戸惑いの声で言う。
「けど。ダメ?」
いいよ、なんて恥ずかしくて言えるわけない。
────勝手に触ってくれればいいのに…………
変なところで律儀な優しさを見せるルカにサクナは少し困ってしまう。
「…………可愛いな、サク。堪んないその顔」
「…………っ!」
サクナはハッとルカを見る。
口元を少し上げ、目元は悪戯っ子のような輝きを見せていた。
「わ、わざと訊いてるの?」
「まさか、サクナの気持を大事にしてるだけだよ」
────ほんと? その割には愉しそうな顔をしてるような…………
サクナは怪訝な表情でルカを見た。
「言って、触って欲しいって」
「い、言えないよ、そんなこと」
「あぁ、やばいな、もぉ…………可愛すぎるお前」
絶対わざとだ。サクナはそう確信した。ルカは自分をからかっているのだと。
薄々気づいていたが、ルカは優しいだけの男ではない。意地悪な性格を見せる時がある。