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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章  ~始まりの森~

 そんな戸惑いをよそにルカは厚手の外衣の中に手を忍ばせた。這い上がるように薄手の布生地越しにルカの手の感触が如実に伝わる。

 じわじわと躯の線を確かめるように這う掌が膨らみに近づいてくる。回り込むように包まれ、その行為がとてもいやらしく感じた。

「ルカ様……厭らしい」

「厭らしいことしてるの」

 そう言われると返す言葉を失う。
 サクナは初めてこの行為の意味を知る、身体を繋がるだけではなかったのだと。

 自分はその行為を何も知らないのにルカを求めていたんだと思うと羞恥はより高鳴る。

「あ……ふぅっ」

 膨らみを揉む指が乳首の回りを撫でる、衣服にその尖端が擦れジンっと熱くなる気がした。

「勃たせて、俺を誘ってるの?」

「え……違う、勝手に…………」

「そっか、俺に感じたんだ」

 ルカは少し笑みをこぼしながら、悪戯っ子のような口調で言う。
 サクナにしてみればどうしてそうなるかもわからず、恥ずかしさで顔から火が出そうだった。


「や、ヤダ。もう、やめる……」

「やめる? こんなに勃たせてるのに?」

 ルカは言いながら、尖った場所を指で押しやんわりと捏ね回す。
 指と衣服に擦られサクナは身体の奥から甘い感情が湧き上がってくる。

 気持ちとは裏腹にその刺激に妙な気になってしまう。

「あ……る、ルカ様、やだ…………」

「そんな甘い声だされてもやめれないよ。むしろ、火をつけるだけだ」

 そう言うルカの声が妙に色っぽくゾクッと背筋が震えた。

 それが、畏れとは違う好奇心なのか、立て続けに襲う未知な感情にサクナは慄くばかり。

 何故、こんな気持ちになるのか、躯がヘンになってしまう。いやだと言葉がでるのにその行為が嫌なものではない。

 自分自身のことなのにわからなくなってきた。

 嫌なのか嫌じゃないのか。
 ルカの指に翻弄され、沸き上がる吐息に混じり甘い声が勝手に出てしまう。

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