この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第8章 ~天使の微笑みは淫らに咲く~

その姿が少し羨ましく、護るものがいる少年と、護られる存在の少女に。
家族という絆が────
日に日に弱ってゆく父の姿をみてルカとてその覚悟をしていなかったわけではない。
だが、わかっていても尊敬する、愛すべき父が亡くなった事がルカの心にポッカリと穴をあけた。
あまつさえ、臣たちは幼い自分を既に指導者として立てあげようとしている。
その事が不満だった。
頭でわかっていたつもりだった。
でも、本当の事は何もわかっていなかった。
星に帰り。星に生まれる。

