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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第8章 ~天使の微笑みは淫らに咲く~
────父上、どうやら俺は父上のように強くなれない。腑抜けな息子で悲しんでる?
でも、これが俺なんだ────
ジッと緋色の瞳は鋭く、目の前の少年はセシュルドを思わす強い瞳をしていた。
実際セシュルドに比べたら可愛らしい瞳ではあるのだが。
そして、その兄に護られるように、されど少女は何がなんだかよくわかっていないのかポカンとした表情を少年の後ろから覗かせる。
いずれこの少女は祈り姫となる。
ファリノサ一族は代々祈り姫を護るのが使命。
────護るべき人は大勢いる、俺は護らなきゃならない。