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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第8章  ~天使の微笑みは淫らに咲く~

「決めた、お前たちの一生を俺にくれないか?」

 そこには既に哀しみの表情はなかった。
 ようやく見つけた、自分がすべき事を。

 それは、命令でもなく、願いだった。

「……たち?」

「ああ、俺に仕えろ」

 この時、城ではセシュルドをよく思ってない騎士団たちがいる事は幼いルカの耳にも届いていた。

 リキマシア国にはセシュルドの力がどうしても必要だった。
 国王が信頼し、この国を想い、コスモ国の進撃に堪え守り抜いている。

 ────セシュルドは強い。護るべきものがあるから…………

 だから、人は強くなれる。


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