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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第8章 ~天使の微笑みは淫らに咲く~
「断る、俺はサクナを護るのが使命だ」
いい眼をしている、自分と変わらぬ歳でその使命を既に心へているのだろう。
「俺が護ってみせる、だから力を貸せケイル」
ルカはニッと笑ってみせた。
ケイルは信用ならぬ眼で見ている。
無理もない。
父親が亡くなり哀しみ、少女の腕の中泣いてしまったのだから。
あまつさえ、その護るべき少女に不埒なことをした自分を信用しろという方が無理がある。
だからこそ、ルカはこの少年が欲しくなる。
殿下であることを知り、それでも牙を剥ける。
この国にそんな人物がどれほどいるだろうか。
少なくともここに居る中では、この少年と口煩い宰相ぐらいだろう。