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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
その時。部屋を扉をノックする音が響いた。
サクナはドキッと心臓が止まる思いがした。ルカも手をピタリと止めた。
「陛下、いらっしゃいますか」
扉の向こうから女性の声が聞える。
熱くなった熱がすーっと冷えてゆく。
「…………ルカさ……っん」
あろう事かルカはそんな状況でサクナの唇を塞いだ。さすがのサクナもそれに酔いしれる気にもなれずルカの背中をパタパタと叩く。
────や、やっぱり私変だ…………こんな時に、気持ちいいなんて…………
ドアの外よりやや怒った口調に変った女性の声と扉をノックする音がより大きくなる。
「…………気の利かない奴だな」
ルカは唇を離しため息をついた。
自身の身を起こしながらサクナ手を引き足をソファから下ろす。
ルカはその体制で止まり、脚に触れた手が内腿に流れてゆく。
「ル、ル……っ!」
声を出すなと今んばかりに口元を手で塞がれる。
「今更、やめれるかよ」
「ふ、ふぅ」
サクナは緋色の瞳を滲ませルカの手首を取り、いやいやと首を横に振る。
「陛下。いらっしゃるのはわかっていますっ! それともすぐに出れない理由でもあるのですかっ!」