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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~

だが、ミモリはそんな野心を抱くことなく補佐官として王宮に仕えた。
確かに、ミモリは妃の座は狙っていない。
だが、ミモリはルカに情事を望んだ。その事を王宮で知るのは、ケイルと宰相のみである。
ルカに好意を持ちそれを望むならわかる。
しかし、ミモリはルカに好意はない。
それは、眼を見ればわかる。ミモリは興味がない男に言い寄る眼をしていた。
妃の座を狙うのならそれもわからなくもない。
そんな野心をもつ貴族の娘は王都にはたくさんいる。
だが、ミモリはルカが国の定める男性の結婚適齢年齢になるにつれ妃を娶れと言いだした。
だからわからなくなる、ミモリの目的が。
そして、その謎は祈り姫であるサクナが王宮に仕えた時、より深まってしまった。

