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第9章 　~夜宴は月夜の下で~

「そう？　でも、目的は陛下に抱かれることなんですよね。抱いてしまえば、サクナを護れるんじゃないんですか」


　その言葉はルカの胸を突き刺した。

　ヴィストーターの言うとおり、抱いてしまえばサクナを護れた。その事をやんわりと補佐官に警告すると、補佐官は自分を抱かない陛下のせいだと言った。

　性の捌け口に利用しているなら陛下に拘る理由もない。そこに何らかの目的がある。

　だだの興味なのか。
　陛下もいう人物に抱かれたいのか…………

　その心理がわからない。

　愛もなければ興味もない、ましてやその地位を狙ってるわけでもない。
　
　サクナのことが無ければくだらないと捨て置けるのだが。