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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~



 次の日、王宮では夜宴の準備で使用人たちは慌しく王宮と城園を行き来していた。



「陛下。そろそろ夜宴のご準備をお願い致します」


 遠征に行っていた間、溜まった書類に判子を押していると、補佐官が声を掛けてきた。

 いつもは、レオナールが世話をしてくれるのだが、今はサクナに講義を行なっている。

 それでも、陛下を世話する使用人は他の者がする事が多い。

 ケイルがサクナの側に付き、陛下がひとりで執務室に居るのをわかってのことか、それとも他に手の空いた者が居ないのか。


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