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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~

本来、夜宴は普段着のまま気楽に行う夜会で、正装に着替える事はない。
だが、宰相の孫息子、ヴィストーターを歓迎する意味も込めて慰労パーティは、急遽歓迎パーティに変わった。
「陛下。コスモ国はいかがでしたか?」
補佐官は何もなかったようにいつも通り話しかけてくる、遠征に行っている間の報告を陛下が受けていることぐらいわかっているはず。
「叔父殿が心配するような事はなかった」
「そうですか。ヴィストーター様もご一緒されたと訊いたので、何でも暴動がおきたとか。コスモシティの民は気が気では御座いませんわね」
その事を知っているのは遠征に行った者のみ。
侍臣に訊いたか。それとも同行した騎士団からか。

