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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~

「さ、陛下お着替えを」
「着替えぐらい自分で出来る、そこに置いといてくれ」
ルカは目を合わすことなく書類に判子を押しながら淡々と言う。
「陛下、真面目に執務を行なって下さるのは、喜ばしいことですが。急ぎませんと夜宴が始まってしまいますわよ?」
「賢明な補佐官殿ならわかっているのだろ? 出ていってくれと頼んだのだが」
「陛下、ここで情事の誘いは一切禁止になさったはずですよ? 着替えを手伝うだけです」
やはり引かないか。
何か企んでいるのか? ルカは手に持った判子を机に置き、立ち上がり補佐官のもとにゆく。
ルカは自らジャケットを脱ぎ、シャツのボタンを外してゆく。
「陛下、わたしが」
「いや、構わない。着替えぐらい出来る」
ルカはソファに置いてある綺麗に仕立てられた真っ白なスタンドカラーを手に取ろうとする。

