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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~



「あぁ、そういう事か」


「何がですか陛下?」



 何も知らないわけがない。
 その時、ルカは気づいた。やはり補佐官は何か企んでいたのだと。


 ガチャと、扉の開く音がした。

 ノックもせず、この部屋に入ってくる人物は限られている。


 瞬間、補佐官が抱きついてくるのが安易に想像できた。だから、ルカは補佐官を避け身を翻し執務室に入ってきた人物を見た。


「あ……」

 思わず、そのまま立ち止まってしまう。

 
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