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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~
サクナは腰まで伸びた淡い桜色の髪をトップに纏め、花をあしらった髪飾りをつけている。
袖がなく、淡いゴールドの色のローブデコルテに身を包みその美しい白い肌を隠すようにサーモンピンクのケープを肩から羽織っていた。
「まあ、姫様。陛下の部屋にノックもせず」
「俺が許したんだ、気にすることはない」
「気にするなと言われても、無理ですよね。ふたりきりでこんな格好────何があったか、賢明な姫様ならおわかりでしょ?」
────嵌められた。
だが、気づいた時はもう遅かった。
言葉はあやふやだ否定しても状況が先行する。
「あ……ごめんなさい」
そう言ってサクナは、踵を返し部屋をでていこうとする。
「待ってサク」
「ん?」
ソレは予想外の反応だった。