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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~
サクナは平然としていて、この状況下を気に求めてない。
『妃となる女性なら。他の女を抱いても怒りはしない』
ふとっ、昨日のヴィストーターの言葉が過る。
でも、違う。
サクナはきっと怒るしショックを受けるはずだ。
直ぐ、顔にでる。その素直な感情を見せてくれるのは彼女だけだ。
だが、サクナは本当に普通だった。
強いて言えば。少し照れてるようにも見えなくもない。
「本当に誤解してない?」
「誤解? 着替えをしてただけでしょ」
わかっていたのか。
だから、落ち着いているんだ。
サクナは、やっぱり強い。
補佐官の言葉に惑わされることも無く、否定も肯定もしなかった自分を信じてくれているのだと。