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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~


 しかし、補佐官はやはりサクナと自分の間に亀裂を入れようとしているのは明らかだ。

「ご存知なかったの? そうですよね陛下」

 今回はたまたま、本人を目の前にして暴露されたという何とも言い難い結果になったが。

 やはり。補佐官は何か企んでいる。

 ルカはケイルと目を合わせた後サクナを見る。



 言葉を待っている?
 

 サクナは、驚いた顔をしながらルカを見て、チラリと補佐官に眼を移した。

 きっと補佐官はほくそ笑んでいるに違いない。

「……ああ、そうだ」

 ルカはジッーとサクナを見つめその八年間の想いを打ち明けた。

「…………そう」

 少し俯き、素っ気ない返事をする。

 傍から見れば怒っているから、消沈しているかに見えるだろう。


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