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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~
「お、お待ち下さい。それでは初恋の相手は? 陛下はふたりを愛していらっしゃるのですか」
「初恋の相手がサクナなら何の問題もないと思うが?」
補佐官は、まるで雷にも撃たれたように今までにないほど動揺していた。
「それならそうとどうして言ってくださらなかったのです」
「おかしな事を、散々サクを苛んでいたくせに。俺が知らないとでも思っていたのか?」
「苛んでなど……わたしは事実を……」
「ああ、確かに、そうかも知れない。だからと言って許される事じゃない。そんなお前に、どうして本当のことが言える」