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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~
貴族の娘たちも全て補佐官が仕組んだこと。
あの娘たちは、補佐官とは別にそれなりの理由があったのだろうが。
嫌がらせをする為に情報を流したのは補佐官だ。
「なら、ない事実をあたかもある様に見せかけようとしたのは何故だ? それが、お前のなんの利益になる」
「…………姫様の御心が無ければ、陛下はわたしを抱いてくださると思ったからです」
「では、お前はそれだけの為に俺たちを邪魔していたと言うのか」
「はい…………陛下は、姫様を確かに特別視していらっしゃる事はわかっていました。しかし、そこに感情はないと。陛下が愛するものとしか情事をしないとわかっていたら、このようなことは望みませんでした」
腑に落ちない。
本当にそれだけのことだったのか。