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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第10章 ~暗闇の誘惑~

「信じられない…………」
サクナは照れを隠すように拗ねた口調で言う。
だが、ケイルの見える正面を向く勇気もなく、羞恥を与えたルカの肩に縋りつく。
「嫌だと言う割りには……っ」
「も、もう、怒るよルカ」
サクナは、ルカが何を言わんとしてるかわかり慌ててルカの口を手で塞ぐ。
余裕の笑みなのかルカは眼を細めた。
「こっちが恥ずかしくなる」
「な、なら。止めてくれればいいのに。兄様はルカの味方なんだ」
「…………馬に蹴られたくないからな」
馬? 意味のわからないことをケイルは言う。

