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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第10章 ~暗闇の誘惑~

そこは別世界だった。
馬車から降り、すぐ目の前に広がる光景。
地上から空に向け魔石光で庭は照らされていて昼間のように明るく、色鮮やかな光がきらびやかな世界を演出していた。
ルカの手をとったまま、サクナが呆然とその風景に目を奪われていると。
ルカは、サクナの手を寄せ自然とエスコートしてゆく。導かれるようにサクナは、ルカの腕を取り会場の中へ歩いてゆく。
ルカの一連の動作は慣れていた。
先ほど嫌がるサクナにキスを迫った人物とは思えない。むしろ挙動不審なのはサクナの方だった。
ルカはやっぱり皆の憧れる陛下なんだなと今更ながら実感する。

