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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第10章  ~暗闇の誘惑~

「ごめん、サク。ちょっと宰相と話あるからここでまっててくれる?」

 サクナはコクっと頷き腕を緩めた。

「兄様から離れるなよ? それと、お酒は絶対に飲むな」

「わかった」

 サクナは頬を赤く染め頷く。

 酔っていた、その自覚も、うる覚えだが記憶もある。とても、口には出せない事をした。ハッキリ覚えて無いだけに尚更恥ずかしい。


 サクナとケイルは近くにある噴水のベンチに座ることにした。


 サクナは王宮にあがり初めて公式行事に参加した。臣や騎士、貴族たちが楽しそうに談笑をしている。

 
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