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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第10章 ~暗闇の誘惑~

「コラ、ヴィスト。何やってんだ」
いつの間にかそこに居たルカは呆れた表情で、三人を見ていた。
「サクナに淑女としての振る舞いを教えているところですよ」
「何が淑女だ。お前の知ってる女性とサクを一緒にするな」
「やれやれ、陛下も御自分は愉しまれてるのに随分と寛容が狭いですね」
ふたりの剣幕にサクナはオロオロとしてくる。
ルカはふーっとため息を洩らしサクナの方を見た。
「コッチおいでサク」
「え、あ……」
ケイルの腕が解かれたのだがサクナはどうしたものかとケイルの膝の上で固まっていた。
「そんなに兄様に抱かれていたいの?」
何を言ってるの…………
ルカは何やら不機嫌だった。
ケイルはサクナのグラスを手に取り「早くいけ」と、促す。

