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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第10章 ~暗闇の誘惑~

周りも陛下がいる事により、皆が事の成り行きを注目している。
確かにこのまま見世物になるのは恥ずかしすぎる。
サクナはケイルに掴まりながら、足を地におろしルカのもとにゆく。
「またねサクナ」
と、冷めた表情をしてるケイルの横でにこやかな笑顔を見せるヴィストーター。
サクナはふたりに礼をし、引っ張るルカの手について行く。
サクナはハラハラとする、ルカが機嫌が悪いのはあまり見ることじゃない。兄とは逆にルカは、その感情を笑顔で隠すタイプだから。
補佐官とのやり取りの時もこんなに感情を見せることはなかった。怒るというより、冷静に対応していたから。

