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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第11章  ~ 落花流水の情~

「水の音がする」

「ああ、噴水があるから行ってみる?」

 等間隔に魔石光で灯された温室内を歩るくと、少し開けた場所にでる。

「ここは、ライトアップされてないんだね」

「城庭の噴水は気に入った?」

「うん、綺麗だった。あと、私水音が好きなのかも」

 温室の噴水は城庭より流る音が優しくこの空間にあっていた。

「サク、少しいい」

 ふたりは小さめのラウンドテーブルの側にある椅子に腰を下ろした。


「宰相と相談したんだけど。補佐官はやはり信用出来ない。お前に心配させたくなかったから言わなかったんだけど。初めは俺の命を狙っていると思っていた」

「ルカの!?」

「閨をともにするのは一番無防備だからな、妃の座でもなく、俺に好意があるわけでもない。内乱でも企んでいたんじゃないかと」

 補佐官は、侍臣や騎士団とも繋がりがあったようで、何か強い使命を感じたとルカは言う。

 だが、それだとルカとサクナの間を引き裂く意味がない。だから、その目的がわからなかった。

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