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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
ミモリだけではない、貴族の娘たちもまた同様にサクナにそれを強調し言ってくる。
恐らくは愛とか恋とかを熟知しているからこそ、それがサクナを精神的に攻撃しているとわかった上で言ってくるのだ。
だが、当の本人は何とも思っていなかった。
サクナは、皆が何故口を揃えて嫌味たらしくそれを言うのかわからなかった。嫉妬であることはわかるが、皆、それを嬉しそうに言う。
────嫉妬してるなら嬉しそうに言わなきゃいいのに。意味分からない。
恋も愛も経験したことないサクナにとって、祈り姫として求められることは、むしろ、悦ばしいことである。
それを他の女性たちは知らなかった。
そして、自分にとって勿体無いぐらいの男性に求婚され慢心することはあっても、心から拒絶することはない。
そう思うのは他の男性に興味がある人か陛下をよく思ってないひとぐらいなものである。