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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~
「陛下の『お気持ちは』わかりました。では、祈り姫として後宮にお入れください。それが彼女の存在意義なのでしたら」
「いや、今はサクナを後宮に入れない、後宮はここより離れた場所にある。祈祷所までも遠くなるし、何かと不便だ」
それを聞きミモリは更にクスリと笑う。
「陛下が、それを望むのなら。ですが陛下、ここで婚前交渉はおやめください。いつ誰が訪れるかわかりませんから、それをお約束してくださいまし」
「ああ、わかった。なら、これよりこの場で婚前交渉を持ち掛けることも禁じよう、今後一切それを禁じる。それでよろしいかな補佐官殿」
ミモリはフッと不敵な笑みを見せた。
「もちろんです陛下、後で執事長が今後の話に来ると思われます。それまでここで待機していてくださいまし」
「ああ、わかった」
ミモリは一礼をし優雅に部屋を後にした。