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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第11章  ~ 落花流水の情~

「お前はほんと『おあずけ』が、好きだな」

「ルカこそよくこの状況で欲情できるよね」

「目の前にお前が居たらそりゃ欲情するだろ」

「…………当然みたいに言わないでよ」

 ルカはテーブルに頬づえをつきフッと微笑み何もなかったように話を続けた。

 ────か、からかわれたの?


「補佐官の願い通り舞踏会までの契約で、ヴィストに監視についてもらうことにした。散々な目に合わせたのに不服かも知れないけど、サクには手を出させないからもう安心しろ」

 サクナは深く頷いた。

 陛下の妃になる者は妬みや嫉妬の対象になるのはよくあること。サクナも、それを覚悟の上でルカのプロポーズを受けた。

 堪え難い精神攻撃だったが不服だとは思わない。


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