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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第12章  ~affection~


「安心してしまうのは、きっとルカと一緒だから。ごめんね、ルカ疲れてるのに」


 側にいてくれる嬉しさ、それと同時に甘えすぎてしまう申し訳なさ。

 本来なら疲れてるルカを労るのは自分の役目。


「疲れなんてサクが側にいてくれたら吹き飛ぶ。こうして、一緒にいられることが俺の幸せだから。気兼ねしなくていい」


 ルカは人を喜ばせることが本当に上手い。
 サクナは胸をキュンと高鳴らせてしまう。

 女性に興味がないと国中で噂されるほどの陛下。
 そのルカがこんな甘いことを言うなど誰が想像出来ただろう。

 否、知られたらきっと陛下に誘惑をかける女性が増えてしまう。サクナは自分だけの秘密にしたくなる。

 補佐官の憂いもなくなったからなのか、ルカはサクナが、顔を赤く染め上げることを前にも増して言うようになった。


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