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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第12章 ~affection~

「少し触ってもいい?」
「……駄目、我慢できなくなる」
このまま身を委ねるとルカを求めてしまう。
また、寝坊するわけにはいかない。
サクナは高鳴る気持ちを落ち着かせようと、その胸を上下させ呼吸を整える。
「そうだな。せっかくふたりきりで祭壇に行くのに、このままだとケイルが起きてしまう」
「…………? ふたりでいくの?」
少し驚いたように言うサクナにルカは上衣を手に取り着させる。
「兄様が居ないと心配?」
「そういう訳じゃないけど……」
祈り姫を祭壇まで護るのは近侍の役割。
兄も一緒に行くものだと思っていたから。

