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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第12章 ~affection~

王宮の外に出た頃は朝日が昇っていた。
鬱蒼とした木々の木陰を歩き、祭壇までゆく。
いつもなら寝ているこの時間、それでも既に明るく夏の訪れを感じる。
「ルカは初夏の太陽に似てる」
「ん? 太陽に?」
サクナは、うん、と、頷く。
木々の隙間から陽の光が小さな粒となり零れている。サクナはその光を見てふと言葉をもらす。
「穏やかに見えるけど、キラキラと眩しくて触れたら熱くて心も溶かしてしまう。太陽に照らされ体躯が熱くなるみたいに」
ルカはジッと、不思議そうにサクナを見ていた。
イマイチ伝わらなかったのだろうかと、サクナもまたルカを見る。
「それは……情熱的な表現だね」
ニヤッと笑みをこぼすルカを見て、サクナはその表現が情事を思わすものだと気づく。
ルカを一番感じるのはソレだから、自然とそう思ってしまうのも無理はなく。
「別にそれだけの意味じゃ…………」

