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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
広大な空間、大きなドーム型の天井。窓はステンドグラスになっていて豪華絢爛。
その正面には見たこともない程大きなパイプオルガンがあった。
その場に似使わぬシャツにジレの姿、クラバットも身に着けておらず、ラフな姿のヴィストーターはスタスタと中へ入ってゆく。
「どうしてヴィストーター様が?」
「はぁ、護衛らしい……です」
「左様ですか……姫様。では始めましょ」
レオナールは納得したのか、白い絨毯の上を歩き出す。
サクナも慣れない高いヒールの靴に、動きにくいドレスでそれどころではなくなってしまう。
祭壇に続く大理石の身廊、左右には列席者ようのたくさんの席がある。
今は、誰もいないがこんなトコロで挙式を上げるのだとサクナは早くも緊張する。
「緊張なさらずに、祭壇までなるべくゆっくりお進み下さい」