この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
頬を持ち上げ爽やかな笑顔を向けるヴィストーター。
奇しくも、サクナとヴィストーターは理想の男女の身長差だった。背の小さいサクナは高いヒールを履いてるため、ルカより少し低めの彼と顔が近い。
「当日はたくさんの人がこの大聖堂に埋め尽くされる、だいじょうぶ? このぐらいで緊張してて」
「…………冗談ならおやめ下さい」
からかわれてるのかも知れない。
サクナはおずおずと、ヴィストーターの胸に手を置き身体を離して欲しいと訴える。
「本気ならいいのですか?」
「……やっ……へ、陛下に怒られますからっ!」
グッと胸を強く押すもビクリと動かない。
サクナはレオナールに教えてもらったやんわりと断る方法を叫んだ。
これを言えば血迷った男性は血の気がひくと。