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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
相手がヴィストーターだからなのか、レオナールも困った表情を見せるも手が出せない様子。
これでも宰相の孫息子。
王族の中でも地位の高い人物。
「サクナ。知ってますか、男性は、いやいやをされると余計燃えるのです」
「…………そ、そんなこと……受け入れるなんて出来ませんっ!」
「僕に迫られて拒否されたのは初めてだ。興味深いですねサクナ」
唇に触れそうなほど近く、蒼い瞳を愉しげに細め本気なのか冗談なのかわからない口調でヴィストーターは迫る。
「サクナ。僕は君たちの為に犠牲になったんだ、このぐらい報酬だと思ってもいいんじゃない?」
はっ……と、サクナは固まる。
どういう経緯でルカがヴィストーターにそれを頼んだのかはサクナの知る所ではない。
だが、ヴィストーターの言う犠牲の意味はわかる。
サクナを護る為にヴィストーターは補佐官のミモリと政略結婚をする。