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第13章 　~花嫁の苦悩~

　何をもってそう言い切れるのか。
　甘いマスクをして、その行為は褒められるものではない。

　失礼極まりない上に、不愉快だ。


「ヴィストーター様。その辺でお許しください、姫様はそういう方ではありませんから」

　見かねたレオナールが嗜める。
　しかし、ヴィストーターは鼻先で冷笑した。

「どうでしょう相手が陛下ですからね。これ以上の地位はありませんからね。サクナはだから裏切りたくないんですよね」

「どうとでも好きに思ってくれても構いません」

「違うって言わないのですか？」

「別にあなたにどう思われても気にしない。むしろ、嫌ってくれて結構です」

　ヴィストーターは、フッと笑う。
　この状況を愉しんでるように、サクナの双眸を見たまま動きはしない。